ぬか漬けの徒然

スゴ技Q 簡単!おいしい!NEOぬか漬け

朝ドラ「ごちそうさん」でヒロインめ以子を見守る「ぬか床」。
おいしそうなぬか漬けを見て「ああ、ぬか漬け食べたいな」と思った方も多いのではないでしょうか。
実は今、ぬか漬けは、次々と新たな健康効果が明らかになっている食材の一つとしても注目を集めています。その鍵を握るのが乳酸菌です。
しかし、体にいいと分かっていても、面倒でなかなか自分で漬けるのがおっくうなのがぬか漬け。
というわけで、今回は、毎日混ぜなくても簡単に、おいしく、しかも乳酸菌たっぷりのぬか漬けを作る方法を紹介したり、酸っぱいぬか床をどうにかしたい、ぬか床の変なにおいをなくすのは、どうすればいいの?など 視聴者の様々な悩みを改善するスゴ技を紹介しました。

驚きの健康効果
ぬか漬けの中に含まれる栄養の中で、特に注目するべきなのが"乳酸菌"
そこで番組では、最新の研究で分かってきた、乳酸菌に期待できる健康効果をまとめました。

<取材協力>
辻 典子さん (産業技術総合研究所 バイオメディカル部門 主任研究員)

VTRで紹介した乳酸菌に関する健康効果の論文
●Nature Vol.498,p.99,6June 2013
(腸内に多くの種類の乳酸菌が含まれている人は糖尿病と肥満になりにくい傾向があることを示した研究結果)
●Immunity38,1-11,June27,2013
(乳酸菌が小腸に入ることで、小腸の免疫細胞を活性化し、インターフェロンβを放出します。
このインターフェロンβが外敵であるウイルスの増殖を抑えることで、免疫力が上がることを示した研究結果)

簡単で栄養たっぷり あさイチ流NEOぬか漬け
おいしいし、健康にもいいぬか漬け。
食べたい!けれど、自分で漬けるには毎日のぬか床の手入れがめんどう!
そんなあなたでも大丈夫。毎日手入れをしなくてもOK。なのに、おいしくて乳酸菌たっぷりな
あさイチ流NEOぬか漬けの作り方を、料理教室の講師・三笠かく子さんに教えていただきました。

材料・作りやすい分量
<ぬか床の材料>
・米ぬか・・・250グラム
・塩・・・大さじ2
・水・・・350ミリリットル
・昆布・・・5センチ角
・たかのつめ・・・1本

・密閉袋
・ふたつきの密閉容器

作り方 <漬ける準備編>
1.水を湧かし塩と昆布を入れ、一煮立ちさせる。
2.昆布を取り、(1)を冷ましたものを、2,3回に分けて、米ぬかになじませていく。
3.米ぬかが、みそくらいの堅さになったら、密閉袋に入れる。
4.先ほど取り出した昆布、たかのつめをぬか床に入れる。
5.この状態では乳酸菌がいないので、キャベツの外葉やカブの葉などの野菜を4~5日漬ける。
6.(5)の過程を2、3回繰り返したら(そのつど新しい野菜に変える)ぬか床の完成。
  ※におい漏れを防ぐため、ふた付きの密閉容器に入れて、冷蔵庫で保管します。

作り方 <本格的に漬ける編>
1. ぬか床に好きな野菜を入れる。
  ※だいたい、キュウリなら1~2本、カブなら2、3個漬けられる少量のものです。
2.冷蔵庫に2~3日ほど漬ける。
  (漬かる速度は、漬ける野菜の大きさや、ぬか床の乳酸菌の育ち具合によって変わってきます。)
3.ぬか床から野菜を取り出すとき、もしくは4、5日にぬか床全体を外側から内側にもみ込む。

<取材協力>
三笠かく子さん (一般財団法人 ベターホーム協会 料理講師)

ぬか漬けに含まれる乳酸菌の量を増やす方法
野菜の皮をむいたり、切り込みを入れてから漬けると、乳酸菌がしみこみやすくなります。

ぬか床がすっぱくなってしまった時
ぬか床1キログラムに対し、卵1個分の殻を入れます。
その際、薄皮をむくとより、卵の殻の炭酸カルシウムが効果的に働き、酸っぱさを早く中和してくれます。
また、卵には雑菌がついている場合があるので、必ず殻を煮沸殺菌してからぬか床に入れて下さい。

味をよくするちょい足し術
卵の殻のほかにも、ぬか床にこれらの材料をちょい足しする事で自分好みの味や香りのぬか漬けを作る事ができます。

酸っぱさが足りない:ビール・パン粉
うま味を足したい:米こうじ・きな粉・かつお節
香りを加えたい:ゆず・みかん・リンゴの皮

<取材協力>
宮尾茂雄さん(東京家政大学 教授)
奥村彪生さん(伝承料理研究家)

ぬか床から変なにおいがする
アンケートで多かった、ぬか床から異臭がするというお悩み。
そこで、日本全国1000人近くのぬか床を診断してきた、下田敏子さんにお聞きしたところ、混ぜ方で、ぬか床のにおいを改善することが出来るとのことでした。
というのも、ぬか床には、シンナーのようなにおいのする、産膜酵母(さんまくこうぼ)と呼ばれる菌と、空気の嫌いなアンモニアのようなにおいのする、酪酸菌(らくさんきん)と呼ばれる菌が繁殖してきてしまうため、ぬか床の上下を入れ替えることで、互いの菌を殺菌し、嫌なにおいを防ぐことが出来ます。
ちなみに、混ぜすぎても、せっかく上下に入れ代わった菌が元に戻ってしまうので、注意しましょう。

<取材協力>
下田敏子さん(ぬか床専門店「千束」店主)

ぬか漬け・ぬか床のアレンジレシピ
番組では、和洋中のぬか漬け・ぬか床アレンジレシピをご紹介しました。

ぬか漬けサンラータン風 2人分
<材料>
・白菜のぬか漬け・・・100グラム(せん切りにする)
・乾燥春雨・・・30グラム(お湯で戻しておく)
・ハム・・・2枚(細切り)

・水・・・2カップ
・中華かりゅうスープの素・・・小さじ3分の2

・砂糖・・・小さじ1
・塩・・・小さじ3分の1
・酢・・・小さじ1
・しょうゆ・・・小さじ1

・かたくり粉・・・小さじ1
・水・・・小さじ1

・卵・・・1個
・ラー油・・・小さじ1

<作り方>
1.鍋に水と中華かりゅうスープの素を加えて強火にかける。
2.沸騰したら、春雨と白菜のぬか漬け、ハムを加える。
3.砂糖、塩、酢、しょうゆを加えて、水溶きかたくり粉を入れてとろみをつける。
4.煮立ったら、溶き卵を加え、ラー油を加えて火を止める。
  ※白菜のぬか漬けの酸っぱさで、酢の量を調節して下さい。

ぬか漬けのケチャップライス 2人分
<材料>
・大根、きゅうりなどのぬか漬け・・・100グラム(あられ切り)
・ウィンナーソーセージ・・・4本(5ミリ幅に切る)
・ごはん・・・400グラム
・卵・・・2個

・オリーブ油・・・大さじ3
・塩・・・小さじ2分の1
・トマトケチャップ・・・大さじ3
・こしょう・・・少々
・ごま油・・・小さじ1
・しょうゆ・・・小さじ1

・刻みパセリ・・・少々
・糸がきかつお(かつおぶし)・・・適量 

<作り方>
1.フライパンにオリーブ油を入れて熱し、先にごはんを炒める。
2.炒めたごはんを塩・こしょう・トマトケチャップで味つけする。
3.(1)にぬか漬けとソーセージを加えて炒める。
4.よく混ざったらフライパンの縁から しょうゆとごま油を回し入れジューッという音が消えたら、溶き卵を入れる。
5.最後に糸がきかつおをふりかけ、軽く炒めたら器に盛り、刻みパセリを振る。

ぬか炊き <さば2尾分>
<材料>
・さば・・・2尾分
・水・・・1と2分の1カップ
・しょうゆ・・・1カップ
・酒・・・4分の3カップ
・ざらめ砂糖・・・370グラム
・しょうが(千切り)・・・180グラム
・ぬか床・・・180グラム

<作り方>
1.鍋に水、しょうゆ、酒、ざらめを入れ、ざらめの粒がなくなるようにひと煮立ちさせる。
2.ぬか床を入れて溶かし、切り身にしたさばを並べ入れ、落としぶたをして弱火で 2~3時間煮る。

※同じように、油抜きをした豚バラをぬかで炊いてもおいしい。
※ぬか床は、食べておいしいと感じるものを使用する。

(引用: http://www1.nhk.or.jp/asaichi/2014/01/07/01.html )

-ぬか漬けの徒然