「おいしいぬか床を作るには、とにかくよくかき混ぜることが大切!」なのですが・・・
混ぜすぎると、実は乳酸菌の生育の妨げになることが近年わかってきました。
では、なぜ「かき混ぜる」のでしょうか?
かき混ぜないぬか床では
●酸素あり(=ぬか床の表面)で増える微生物は、酸素が好きな丸い形の微生物「産膜酵母(さんまくこうぼ)」
●酸素なし(=ぬか床の底部)で増える微生物は、酸素が嫌いな細長い形の微生物「酪酸菌(らくさんきん)」など
が出現します。
これらの乳酸菌以外の微生物が増えすぎると、ぬか床が大変なことになってしまいます。
乳酸菌以外の微生物が増えたぬか床のニオイをかいでみると、
産膜酵母が多いぬか床ではシンナーやカビのようなニオイが、
酪酸菌が多いぬか床では蒸れた靴下のようなニオイがします。
これらの菌の増殖を抑える唯一の方法が、「かき混ぜる」という作業になります。
酸素の好きな産膜酵母を、酸素の乏しいぬか床の底部へ動かす
酸素の嫌いな酪酸菌を、酸素の多いぬか床の表面へ動かす
かき混ぜることによって、「ぬか床の上下を入れ替え」ます。
さらに、ぬか床の入れ替えが終わったら、
酸素が嫌いな乳酸菌のために、ぬか床内の空気をしっかり抜いて、かき混ぜを完了します。
乳酸菌のためにかき混ぜすぎず、
また、乳酸菌以外の微生物の増殖を抑えるために適度にかき混ぜる
ことが美味しいぬか床を作る秘訣のようです。